工法概要
ST集排水工法は、地すべり抑制工(地下水排除工)において、地すべりの誘因となる地下水が集中して多量に賦存する箇所等で効率的に多量の地下水を排除し、地すべり活動の抑制を図る径300〜600mmの大口径集排水工法(横孔)です。
φ3.5m集水井内・地上部や排水トンネル内部等の場所を問わず
集水・排水両面において優れた能力を発揮します。




- 高い集排水能力
ST集排水工法に使用する集排水管は、従来よりも大口径で、高開口率なものを使うため、急速な集排水が可能です。 - 高品位な施工
孔曲がりの監視と修正が可能な指向性の掘削方法を用いて、一定以上の施工精度が確保でき、所定の位置に集・排水管が設置できます。施工精度は、施工延長50mで1/300、50〜80mで1/150程度を確保できます。 - 施工性
掘削と同時に集・排水管を挿入・設置するため孔壁崩壊が生じにくく、掘削後に保孔管を挿入する方式(特に、集水管の設置)に比べ、施工が容易です。粘性土から硬岩まで複雑な地質の地すべり地盤に幅広く対応できます。径300〜400mmについては、TH-100型推進機を用い集水井内の施工が可能です。 - 安全性
方向修正方法が単純であり、集・排水管内に油圧ホースや電線を接続挿入する必要がないのでトラブルも少ない。
また、回転部が外側に現れないため、作業の安全性もよい。
施工パターン
地上から
比較的浅層の地下水を狙って、地上から施工を行います。この場合には、機械の反力としてH型鋼等の杭が必要になります。精度の高い掘削が可能なため、縦排水のグラベルパイル工と組み合わせた立体的な集排水が可能です。


集水トンネルから
排水トンネル内での施工は、地すべり地域周辺部に設ける周縁トンネルに適用され、主に基盤付近に集中して多量に賦存する深層地下水を有効に集水できます。


集水井内から
深層の地下水を排除するためのST集排水工法は、従来のφ3.5mの集水井内から施工できます。またST集排水工においては、大口径管を使用するため多量の地下水を排水することができます。

